ピルスナービール醸造所



2004年8月4日水曜日、夫と二人でプラハからおよそ90キロ離れたピルゼン市までドライブし、
1842年に設立されて以来伝統の味を守り続けているというピルスナービールの醸造所を
訪ねてみた。「ピルスナー・ウルクウェル」はなぜか日本の流通に乗っていないようだが、
世界の通の間では最も評価の高いビールのひとつであるそうだ。

日本のビールもチェコ産のホップを使用していると聞くが、チェコのビールの方が喉越しがよく感じられる
のは何故だろうか?アルコールがどちらかというと苦手な私も悪酔いせずに小ジョッキ一杯をおいしく
飲むことができる。

10時半から始まる英語による見学ツアーに参加した。若い女性のガイドさんがピルスナービールの正式名、
「ピルスナー・ウルクウェル」とは「ピルゼンの古い泉」という意味だと教えてくれた。木製の樽が並ぶ
地下のセラーは全長9キロにも及ぶそうで、中はとてもひんやりとしており、樽には温度が5℃と書き
込まれていた。温度は一度変化するとその下に書き足され、常に5〜6℃に保たれるようになっていた。
見学者には樽から直接注がれたビールの原液を飲ませてもらえる。まだフィルターにかけられる前の
ミネラルたっぷりのものなので味に多少くせはあるが、通の人はこれを飲むために是非またこの醸造所を
訪れたいと思うそうだ。


チェコのビールは世界一だという人が少なくない。
なかでも有名なピルスナー・ウルクウェル。
これはその醸造所の全景です。


広場にある大きなチェスの兵士駒もビールを
飲んでいました。


展示館にあった設立当時の労働者用居住部屋
です。朝食のテーブルにちょっと合席させて
もらいました。


ガイドさんがビールの製造過程をわかりやすく
説明してくれました。

 
  ビールの原料です。
  右から、ビンの中身がモルト、次にモルトの原料
  となる大麦、左がビールの味を出すホップ。
  もうひとつ忘れてはならない原料が清水です。
  それから写真には写っていませんが、樽の匂いを
  ビールに移さないために使用されているという
  マツヤニも展示されていました。


9Kmにも及ぶ地下道の温度は5〜6℃に保たれて
おり、醗酵・貯蔵用の大樽が並べられていました。
フィルターにかける前の濁ったビールの原液を
見学者は飲ませてもらえました。

 
  製造前半工程にあたる原料煮沸用の真ちゅう製
  タンク。
  最近ではステンレス製タンクと新製法に切り替わり
  つつあるそうですが、それでも新しくできたビール
  は必ず昔ながらの製法で作られたビールと味が
  一致することを確認してから市場に出しているそう
  です。



昔は、貯蔵・輸送用の樽製造部門があり、
勿論、一個一個手作りでした。
樽がどうしてあのように真ん中がふくれている形に
なっているのかがツアーに参加してみてよくわか
りました。
地下道や納入先で樽を方向転換させるときに
ふくれているところを接地させることで
作業がしやすくなるのです。

  かつてはこの工場から専用の列車がピルスナー
  ビールを満載して欧州各国へ出荷されていた
  そうです。


inserted by FC2 system