チェコ人と納豆


暴れん坊で飼い主に見捨てられたシェパードをヤナが引き取り、世話をした。
家のドアが破壊され、家具も傷ついたが、それでもヤナはシェパードを愛した。
そして喧嘩っ早いそのシェパードが風子とは仲良く遊んだことから、ヤナと私の付き合いが始まった。
ヤナは蝶つがいのデザイン事務所を経営する66歳のチェコ人女性である。
互いの家を行き来するようになってから早いものでもう2年になる。

あるとき私宅で昼食を共にした際に納豆はいかがと出してみた。
これは何?と首を傾げるヤナに、カラシと醤油を少し加え、よく混ぜて白いご飯と一緒に食べてごらんと促した。

納豆を気に入ったヤナは、是非作り方を教えて欲しいと言った。
蒸し上げた大豆に納豆菌を加え、発酵させて作る手作り納豆は大変おいしいが手間がかかる。
20時間ほど40度の温度環境で寝かせる必要があるのでその工夫も必要だ。
元菌を得るために私が作った納豆10粒を使うことにした。

やがて上手に納豆を作れるようになり、家族と一緒に毎日納豆を食しているというヤナに、
あるとき私は納豆が発酵食品で健康に良いから気に入っているの?、それともおいしいから食べているの?
と尋ねてみた。
おいしいから食べてるの、と、ヤナは答え、そして続けた。おいしくて体にいいのだから言うことないわ・・・。

先日ヤナは自分のチェコ人の友人に納豆をご馳走し、その友人にせがまれて作り方を教えたらしい。
今ではそのチェコ人も上手に納豆を作れるようになったということだ。




ヤナが作った納豆を見せてもらいました。

ヤナは自然食品店で大豆と醤油を買います。

粘りのあるよい納豆です。 しょうゆはたまり醤油が好きなのだそうです。


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