フラホル合唱団のクリスマスコンサート(2006年12月18日)


『我が祖国』の作曲で知られるスメタナを指揮者に迎えてフラホル合唱団は1861年に設立された。
女性の入団が認められ混声合唱団になったのは1873年のことだそうだ。その後サポーターの寄付
により魅力的なコンサートホールのある建物を所有し、アメリカやヨーロッパ各地への演奏旅行も
意欲的に行っている。毎年スメタナの命日にヴィシェフラドの墓地で高らかに歌うのもこの合唱団だ。
140年以上の伝統を誇るフラホル合唱団のクリスマスコンサートに行ってきた。

ヴルタヴァ川沿いにある彼らの建物内は重厚で、コンサートホールの壁にはムハのオリジナルの絵が
飾られていた。シャンデリアも彫像もいかにも歴史を感じさせる落ちついたものだった。一ヶ月前から
是非この日は空けて置いてほしいとヤナに言われていた。チェコ人作曲家のリバのミサ曲を歌うので
招待したいということだった。クリスマスイブの真夜中の12時にすべての教会でこのミサ曲を歌うのが
今やチェコの伝統になっているのだとヤナは言って、招待状とチケットをくれた。ヤナもこの合唱団の
メンバーなのだ。

19時に始まるということだったので20分ほど前に着いて適当な席に座っているとヤナが現れ、私の為
に席を確保してあるという。前から4列目の中央の席で右側が通路になっているために体がとても楽だ。
感謝しているとホットワインがサービスされたのでおいしくいただきながら開演を待った。

フラホル合唱団が歌うリバのミサ曲は素晴らしかった。
これまで耳にしてきた宗教色の濃い荘厳なミサ曲とは趣がだいぶ異なっていた。
羊飼いたちがキリストの誕生を祝う姿をテーマにしたリバのミサ曲は、普段着の合唱団によりいかにも
うれしそうに楽しげに歌われた。羊飼いの喜びが伝わってきた。




開演を待つ観客にホットワインが振舞われました。

背後の壁には巨大な扇形のムハの原画が
飾られていました。

シャンデリアの両脇にも小さな絵画が飾られて
いました。

一枚を少し拡大して撮ってみました。
やはりアール・ヌーボーの宗教画でした。

ノヴァーク氏の指揮でフラホルが歌います。
オーケストラはアート、小さいですが実力のある
楽団です。ヤナの次男がクラリネットを演奏しました。
トランペット奏者は音響効果をねらってバルコニー
にいました。
羊飼いたちによるキリスト誕生の祝福がテーマの
リバのミサ曲を普段着のままで歌います。


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