ミノール劇場


人形劇が演じられる劇場はプラハに50以上あると言われているが、そのなかでも最も評判の高い劇場の
ひとつ、ミノール劇場に行ってきた。長い歴史を誇るこの劇場が今ある場所へ移転してきたのは5年程前、
従って設備はまだ新しく、206名の収容力があるそうだ。
伝統的な木彫りの操り人形を使った人形劇が催されることもあるが、人形は抱き人形や置き人形程度で
演じるのは人間のみということもある。舞台の造りからどちらもチェコでは人形劇として扱われているようだ。
現在ミノール劇場はどちらかというと新しい趣向の出し物が多いということなので、古い物好きの私は敬遠
していたのだが、プラハ芸術大学で専門的に人形劇の舞台芸術を学んでいる学生さんに是非にと勧められ
た。彼女は日本人留学生でこの劇場の人形作りを手伝いつつ大学院の卒業制作に今励んでいるところだ。

この日の出し物は『四葉』だった。1969年に発売されて以来チェコ中で愛され続けてきたコミックスをもとに
作られた子供向けの人形劇である。犬、猫、豚、うさぎの4匹の同居人がそろって冒険に出かけるのだが、
口にしたものが原因でミミズが巨大な生き物に見えたり、ガールスカウトが老女に見えたりする。
着ぐるみで演じるプロの役者が熱演し、観客席の子供たちはもちろん親たちも楽しそうに笑い転げていた。

支配下にあって弾圧の手が人形劇にだけは及ばなかった理由が少しだけわかったような気がした。

ミノール劇場の住所: Vodickova 6
URL: www.minor.cz



ミノール人形劇場の入り口。右側にかわいらしい
切符売り場があります。

メイン劇場です。もう一つ小さめの劇場が同じ建物内に
あります。


inserted by FC2 system